研究紹介:超音速機の空力特性に関する研究

航空宇宙機システム研究センターでは、超音速機の空力特性に関して多くの基礎研究及び実証研究を行なっています.
1947年にベルX-1実験機によって超音速の壁が破られて以来,人類は数多くの超音速機を生み出してきましたが,その多くは戦闘機で,旅客機としての技術課題とは方向性が異なっています.即ち,戦闘機では極度な旋回性やレーダーにかからないステルス性を重視した設計となり,旅客機において重要な燃費や静音性はほとんど無視されます.
旅客機としては歴史上コンコルド,ツポレフ144型の2種類が作られましたが,ひどい燃費と騒音が問題となり,現在ではもはや運行されていません.
上記の問題を解決するような基盤技術が確立すれば,再び超音速旅客機が世界の空を舞う日がやってくることでしょう.
研究のための研究に終始せず,確立した基盤技術は小型超音速実験機においてその効果を実証します.
デルタ翼におけるMEMSを用いたヨーイングアクティブ制御
 
デルタ翼の低速特性の改善
デルタ翼は離着陸時の低速域において安定ではなく,その特性の改善が求められる.
翼にスリットを設けて下面から上面に一定量の空気を逃がすことによる低速特性改善手法について研究しています.
デルタ翼の層流制御
ノミナル巡航時の層流域を出来るだけ長く維持することで,摩擦抵抗の低減を狙う.
数%の摩擦抵抗の低減は燃費の改善に大きく寄与します.
小型超音速実験機プロトタイプの風洞試験
 

設計した小型超音速機(M2006)風洞模型



シュリーレン写真

 

オイルフローによる流れ場の様子

超音速実証機の形状は様々な試行錯誤の末に,上記のようなクランクトアロー翼をベースとしたものとなっている(単なるデルタ翼よりも低速特性に優れる).翼断面はダイヤモンド翼.
2006年度〜2009年度にかけて風洞試験を行い,6軸空力特性の把握,衝撃波の挙動,翼面上流れの把握などを行なった.

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