室蘭工業大学建設社会基盤系学科 Department of Civil Engineering and Architecture Muroran Institute of Technology

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専攻の概要

21世紀の社会は,人間が環境と調和を図りながら,真の豊さの向上を追求するものでなければならない。その結果,社会的な施設需要の増大のみならず,施設の質的向上,情報化への対応,開発と保全の軋礫の増大等から建設技術者への需要は今後も増加し続けるであろう。しかしこれからは,従来の土木・建築の枠組みを超えた問題認識と取り組みができ,今後予想される新たな展開に即応できる技術者が要請される。

そのために本専攻は,従来の土木・建築の領域を統合し,新しい建設技術者,研究者の養成を目指した教育と研究の体制を整えた。そして,社会生活環境の総合的,効果的な開発と保全を目的とする工学的諸問題を取り扱い,工学の諸分野とそれに関連する諸学科と連携して,地域特性に立脚した新しい社会を建設するための役割を担っていこうとするものである。



建築社会基盤系専攻の学習・教育目標

■心の豊かさを享受できる環境づくり

わが国は明治維新以来,ヨーロッパ的な所有の論理によって社会を再構築してきました。しかし,モノの所有ということが,いま時代の転換のなかで問われています。モノをたくさん持ったほうが良いという幸福感のなかにあった戦後世代とは異なって,若い皆さんのなかには,モノの所有を放棄しても,心の豊かさを得ようとする人も多いのです。


「モノの豊かさから心の豊かさ」へという大転換をどのように実行するかは,とても難しい問題です。本専攻は,この移行を実現するためのひとつの方法として「環境の豊かさ」を取り上げます。安全で,快適で,美しく,安心できる環境は,決して画一的なものではなく,環境と人間の関係は複雑で多様なものです。ところで,道路や河川,まちや住宅を造るという,建設システムの技術は,造ることを目的とするものではありません。それは,環境を再編することであり,モノや人びとの配置を変えることであり,環境の履歴を抹消したり書き換えたりすることであり,ひいては,そこに暮らす人びとの配置や履歴を変えてしまうことなのです。このため,環境を再編する技術者・デザイナーは,構造物を造る技術のみならず,環境の履歴を書き換えることの責任の重さを知らなければなりません。この意味から,建設システム工学は社会科学や自然科学とのかかわりの深い総合工学といわれています。そして,大学院博士前期課程の学生には,広い視野に立って精深な学識を身に付け,当該分野における高度の専門性が求められる職業を担うための卓越した能力を培うことが求められています。


■選択科目の中にコア科目をコース別に設定し,専門知識を掘り下げて修得する

高度の専門性を有する技術者として,新たな時代の要請に即応できる能力を養成することが本専攻の使命です。しかしながら,2年間で幅広い分野の学問を修得することは時間的に不可能です。そこで,本専攻では,学部に引き続き「土木コース」と「建築コース」の2コースに分けて,それぞれの選択科目の中にコア科目を設定し,それを選択必修科目とすることで,当該分野の原理・原則についてのより掘り下げた知識を修得します。


必修科目
建築社会基盤系ゼミナール,建築社会基盤系特別研究
選択科目
コア科目 その他
土木工学コース 建築学コース 弾塑性学,コンクリート工学特論,鋼構造学特論,水防災工学特論,環境衛生工学特論,社会基盤管理学,土木地質学,構造解析特論,基礎構造学特論,建築計画学特論,寒地建築計画学,都市計画特論,環境デザイン特論,建設システム工学特別講義
構造力学特論,
交通運輸工学,
応用水理学特論,
土質力学特論
建築材料学特論,
鉄筋コンクリート構造設計学,
施設設計学特論,
空間環境工学特論

■建設社会基盤系専攻の学習・教育目標

本専攻の学習・教育目標は以下に示す4つです。

(1) 建設社会基盤系分野の原理・原則についてのより掘り下げた知識と,当該分野の先進・先端部分について正しく判断・評価できる能力を修得する(精深な専門的知識)
(2) 個々の技術的問題を分析し,どのような解法が可能であるかについて考え,最適な方法を選択して,正確に解法を実施する能力を修得する(問題分析・解決能力)
(3) 要求されたシステムやデザインに対して,持てる技術力と創意に富むアイデアにより,総合的に問題を発掘してそれを解決する能力を修得する(エンジニアリングデザイン能力)
(4) 技術者としてのコミュニケーション能力,技術者倫理,プロジェクト管理能力,チームワーク力,現代的ツールの利用技術などを修得する(技術的実践能力)