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2016.04.08. / イベント

入学宣誓式における学長告辞を掲載

学長告辞

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 室蘭にも春が訪れた本日、ご来賓ならびに名誉教授の諸先生のご臨席のもと、平成28年度入学宣誓式を行いますことは、室蘭工業大学すべての教職員、学生にとって大きな慶びであります。

 本年度入学者は、工学部学士課程の626名、編入学生40名、大学院博士前期課程243名、博士後期課程14名、合わせて923名の皆さんです。新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。また、長年にわたり勉学の環境を整えられ、本人たちの努力を支えてこられたご家族ならびに関係者の方々にも、心から敬意とご祝辞を申し上げます。

 さて、入学宣誓式の本日は、本学在学中の学生時代にどのようなことを心がけるべきか、身につけるべきかについて、新入生の皆さんに私からの期待を述べさせていただきたいと思います。

 

 今年度は、海外からの留学生が学部に14名、大学院に24名、8か国から合わせて38名が本学に入学しました。

 本学は、世界から学生諸君を受け入れ、日本全国へ、あるいは世界へ学生さんを送り込んでいる工業大学であり、教室に、研究室に、大学のキャンパスのあちこちにグローバルな環境を有する大学であります。留学生の皆さんの総数はこの4月で149名と過去最高の数字となっています。

 また学部入学者626名中、女子学生は82名、率にして13.1%となり、平成18年度以降では最高の数値となっています。道外からの入学生は207名、33%、道内からは407名、65%となっており、従前よりは道外出身者が増えています。

 大学全体で見てみますと、約75%の学部学生さんが道内出身であり、卒業時の就職先を見ますと50%強の学生諸君を道外の産業界に輩出している、道外への人材供給型の典型的工業大学であります。これまでは、全国、世界に理工系人材を輩出している工業大学としての自負、誇りを持った大学でございました。

 

 ご存じのように国立大学法人は、この4月より法人化後の第3期中期目標期間が始まっております。第3期期間においては、国立大学は3つの類型からその特徴を自ら選ぶこととなり、本学は、「主として、人材育成や地域課題を解決する取組などを通じて地域に貢献する取組とともに、専門分野の特性に配慮しつつ、強み・特色のある分野で世界ないし全国的な教育研究を推進する取組等を第3期の機能強化の中核とする国立大」という分類を選びました。

 昨今の少子高齢化、地域活性化、地域創成が大きな社会の課題となってきている観点からも、本学は地域の教育・研究の拠点として、北海道地域の活性化、日本全体への貢献のみならず、北海道地域への社会貢献を大きく打ち出してまいりました。

 そのかいがあり、本学が北海道地区の代表校となって、道内の北見工業大学、北海道科学大学、千歳科学技術大学とともに、道内の4つの工業高等専門学校(釧路、旭川、苫小牧、函館)の8つの教育機関が連携して、平成27年度の文部科学省の「地(知)の拠点大学による地方創生事業(COC プラス)」に採択され、「オール北海道雇用創出・若者定着プロジェクト」を開始したところであり、北海道への貢献、活性化にも力を注いでまいります。

 学部の新1年生の皆さんは、早速、室蘭の街へ自らが出て行く、能動的に授業に関与するactiveな授業も開始されます。

 

 さて、大学生として身につけるべき1番のことはなんでしょうか。昨年の入学式でも同じことを申しましたが、それは工学と科学の基礎知識に基づいた論理的思考能力に尽きると思います。

 まじめに、愚直に、基礎知識を身につけ、その上で課題を直視して堂々と取り掛かる姿勢が重要です。皆さん、大学においても勉学もまじめに、真摯に取り組んでください。

 皆さんは、高校時代の学びを終え、十分な準備のもと、推薦入試も含めて、大学受験をクリアして、本学に入学されています。すなわち、本学で勉強する資格、能力を持って、本学での学びを充実・発展させて、次の社会へ育って行く資格と期待を持って、この入学宣誓式に臨んでいます。

 大学は、皆さんが社会へ旅立つ直前の、最後の貴重な準備期間です。朝から晩まで正々堂々と勉強できる、おそらく皆さんにとって最後の期間となります。当然ですが、社会人になると、勉強が好きな我々教員であっても、自分のための勉強ができる時間は、様々な業務をこなした後の、わずかな時間しかありません。

 皆さんには、正々堂々と勉強できる時間が十分に約束されています。嫌々勉強することはやめましょう。皆さんは、自ら進んで学びを深めるために、皆さんの人生でおそらく最後の期間となる貴重な勉強時間を得て、室蘭工業大学に入学されています。この貴重な時間を是非、大切に、有意義に過ごしてください。

 

 さてそれでは、どのように大学での学びを充実させればよいでしょうか。入学当初から、大学の4年間で何を学ぼう、何を修得しようと考えること、簡単に言えば、目標をもつことが重要です。目的意識を持って、大学生活の4年間を充実させてください。

 もう、40年以上前のこととなりますが、私が大学に入学した頃を振りかえると、大学の先生は、自ら教科書を書いたり、研究成果を日本や外国の雑誌に論文として発表し、教科書のベースとなる新たな研究成果を社会に発信していたりと、すごい人たちが集まっているところだなと思っておりました。

 室蘭工大の教員は、教育者、研究者として世界で初めての発見、科学的あるいは工学的知見を見いだそうと、いつも教育と研究に励んでおります。世界で初めてのこと、しかも社会に役に立つことを見いださないと、世界中の研究者から認められる研究論文を作ることはできません。そんな環境の下、勉強ができることはすばらしいことではありませんか。繰り返しになりますが、自らの目的意識を持って学んで下さい。

 

 もう一つ、大学生活を送る際の重要なキーワードを皆さんに送ります。「ものごと何でも最初が肝心」ということです。

 すなわち、4年間の学生生活のなかで、最初の1年がとても重要となります。最初の1年を順調に乗り切ると、残り3年間も安定した学生生活を送ることができる確率がかなり高くなります。

 これには統計的なエビデンスがあります。すなわち、入学時から卒業時に至るまでの皆さんの大学での成績を統計的に見てみると、入学試験そのものの成績と、卒業時の成績にはあまり相関はありません。ところが、1年終了時の成績と卒業時の成績にはかなり強い相関があります。

 大学に入学したことで、ほっと一安心し、目標を失いがちになっているかもしれませんが、1年生の時から自分のこれまでの人生を振り返り、その上で4年間の学生生活の目標をぜひ設定し、達成するための計画を立てて臨んで下さい。

 学生時代は、まじめに、真摯に取り組む姿勢、心構え、すなわち努力する姿勢が重要です。やがて、社会にでて、企業等に入社して、仕事に対する成果を求められるようになると、もう少し厳しくなり、努力するプロセスとともに、成果や結果もより重要となってきます。

 

 室蘭工業大学では、国際的な水準で認められる技術者教育に力を入れて取り組んでおり、より能動的な、自らが授業に積極的に参加する教育方法の導入を進めています。

 ご存じのように、大学は単位制をとっており、各科目において一定レベルの成績、達成度を残さないと、その科目を修了すること、すなわち単位を修得することができません。一つ一つの科目に、その授業の到達目標があり、それを目指して、皆さんは勉強することになります。

 本学の教員は、それぞれの担当科目の専門家です。先ほども述べたように、担当科目に関連する研究分野で、世界で初めての研究成果を学術論文として発表したり、教科書を自ら書いている先生も少なくありません。

 そんな大学の先生と一緒に学べるのはすばらしいことです。最初が肝心です。油断せず予習・復習をして授業に臨みましょう。皆さんの希望に満ちた貴重な時間を、是非有意義に過ごしてください。

 

 直近のノーベル賞受賞者に関して、地方大学出身者の方が2人もノーベル賞を受賞されましたことは記憶に新しいことと思います。山梨大学教育学部自然科学科出身の大村智(おおむらさとし)先生はノーベル生理学・医学賞を受賞されました。また、埼玉大学理学部物理学科出身の梶谷隆章(かじたにたかあき)先生は、埼玉大学に向けて、『学部時代は学問への入り口です。この時代を大切に』と言われております。

 地方国立大学にとっては、教職員そして学生諸君にとっても、大変心強いノーベル賞の受賞であります。我が室蘭工業大学においても、おおいに科学の幅広いすそ野を支え、多くの理工系人材を育て、社会へ輩出し、日本の活性化、北海道の活性化に貢献してまいりたいと思います。本日、本学の一員となられた皆さんも、300人を超える教職員と3000人を超える学生諸君が学ぶ室蘭工業大学で、スタートダッシュを念頭におきながら、能動的でactive な学びを始めましょう。

 

 以上をもちまして、私からの、入学宣誓式の告辞とさせていただきます。

 

                              平成28年4月6日

                               室蘭工業大学学長 空閑 良壽

 

 

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