2014年 学長の年頭挨拶

2014年1月6日

室蘭工業大学長 佐藤 一彦

 

 教職員の皆さま、新年明けましておめでとうございます。

 この度は、年末に全学一斉休業日を設けたこともあり、年末から年始にかけて10日間の連休となりました。多くの皆さまは、ご家族とともに、過ぎゆく2013年を振り返り、期待や希望をもって新しい年を迎えられたことと思います。 開学65周年、そして法人化10周年にあたる本年も、皆さまとともに本学の発展のために力を尽くしてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。恒例により、本日は年頭に当たって今年の抱負を述べさせていただきます。

 

 本題に入ります前に、皆さまもご関心をお持ちの平成26年度予算について簡単にご紹介いたします。

 年末の12月24日に閣議決定された来年度予算のうち、国立大学法人運営費交付金等の予定額について、翌日文部科学省から各大学に伝達がありました。これによりますと、運営費交付金は前年度比3.1%増の総額1兆1,123億円で、この中に平成24年度から平均7.8%の減額となった給与臨時特例法の影響額629億円(本学については1億7,233万円)が確保されております。これにより今年の4月からは2年前の給与水準にもどることになります。2年間にわたり、厳しい給与減額にもかかわらずご協力をいただいた教職員の皆さまに、改めてお礼を申し上げます。また日本版NIHへの予算措置との関係で、減額が心配された科学研究費補助金についても、来年度の助成見込額が2,305億円となり、ほぼ前年度水準を維持したことが分かり、ほっとしております。 本学関係分では、特別経費が新規1件(事業名「イノベーションを支える基盤技術の実践型専門教育プログラム」、期間26年度から5年)と継続4件分が認められ、平成25年度補正1号予算と合わせ、ほぼ要求額が認められました。また、年末にもお知らせしましたように、大学院の改組再編にともなう学生経費等についても、教育研究組織調整費として予算に計上されております。

 

 さて本題であります、今年の本学の教育研究、大学運営の問題に移ります。 ご承知のように、昨年11月26日、文部科学省は「国立大学改革プラン」を公表いたしました。プランは、国立大学を取り巻く環境の変化として、グローバル化、少子高齢化の進展、新興国の台頭などによる競争の激化を挙げ、各国立大学が、その強み・特色を最大限に生かし、自ら改善・発展する仕組みを構築することにより、持続的な競争力を持ち、高い付加価値を生み出すことを求めております。国立大学協会は、プランの方向と内容が、昨年5月に公表した国立大学の自主的・自律的な機能強化を目指す方向と一致することを確認し、会員大学の学長が速やかに決意の表明をするよう促しました。私は役員連絡会の了承を得て、本学の立場を次のように表明しました。

 「国際的通用性のある技術者教育の実績を生かし、平成26年度の大学院改組再編を起点に、学士・修士を一貫した工学教育の拠点形成に努めます。航空宇宙機システム、環境・エネルギー材料など、強み・特色のある分野の研究を加速し、イノベーション創出とそれを担う人材育成の拠点となるよう、全学を挙げて取り組みます。」

 このメッセージの中に、私は本学が取り組むべき今年の課題を込めたつもりでおります。今日はこのメッセージを敷衍しながら抱負を述べてみます。

 

 はじめは、教育関連の課題についてです。今年の3月までに終えることになっている学士課程教育の自己点検評価をもとに、平成20年度の学部改組再編に際して設定した教育目標に照らして、教育内容や実施方法ならびに実施体制について総括し、新たな改善計画の立案に着手すること、これが今年の課題となります。

 本学では法人化に移行して以来9年間、国際的通用性がある技術者教育に力を注ぎながら、学士課程と大学院博士前期課程を通じた教育の実現を目指してきました。JABEE認定教育プログラムは本学が誇るべき学士課程教育ですが、第3期中期目標期間につなぐ教育改革の課題としては、学士・修士を一貫した工学教育の実現が重要となります。目標は修士レベルの専門性と創造性を持ったグローバルエンジニアの育成であり、本学はその拠点を目指します。

 今年は開学65周年に当たり、学士・修士課程を一貫した工学教育の新たな可能性を探るために、すでに実績がある、あるいは関心を持つ内外の主要な大学から関係者を招き、国際ワークショップを開催したいと考えております。

 

 つぎに研究の推進についてです。ミッション再定義で、本学は強み・特色のある分野として、航空宇宙機システムと環境・エネルギー分野を挙げました。 今年度はこれらの研究分野を担うセンター等に学長枠定員を利用して教員を配置する計画で、すでに教員の公募を一部行っております。昨年度実施した本学の研究活動に関する外部評価では、センター等の研究活動を格段に推進するには専任の教員を置くのが望ましいとの指摘を受けました。新年度はこれを実施に移し、研究実施体制の整備を急ぎ、充実を図りたいと考えております。

 また研究領域が活動の場となっている基盤的研究についても、4月から新たな研究ユニットに移行するのを機会に、第2期残り2年間の研究目標を設定し、あわせて達成計画を策定することにいたします。これも今年の大切な課題と考えております。昨年末から順次研究ユニットとの懇談に入り、1月中には全ユニットを一巡する予定です。対話を通じて、国立大学に期待されているイノベーション創出機能に相応しい基盤的研究の目標・計画を作り上げていきたいと考えております。研究推進室ならびに教員各位の協力をお願いいたします。

 

 国立大学改革プランでは、このように各大学が強みや特色を生かして、グローバル人材育成とイノベーション創出の機能を強めるよう求めておりますが、同時に、社会の変化に応じて教育研究組織の改革を継続的に行うために、各大学にガバナンス改革と人件費改革も期待しております。どちらも非常に大切な課題ですので、当面は情報の収集と分析に集中したいと考えております。

 ガバナンス改革については、年末に中教審の大学分科会から検討結果が出ており、本学としても直ちに検討作業に入ります。また人件費改革についても、年度内に年俸制等の制度設計を終えるとのことですので、情報の収集と分析に努めます。ガバナンス改革、人件費改革、どちらも概算要求に当たって進捗状況の報告が求められます。具体的な検討結果が得られ次第、法定機関、教授会等に諮り、本学の長期的な発展を損なわないように進路を選択していきたいと思います。

 

 以上、年頭に当たり、皆さまご関心の来年度予算についてお伝えするとともに、本学が取り組むべき課題についていくつか述べさせていただきました。

 今年の干支は午(うま)。私も7周目の年男です。ちなみに小泉純一郎さんは7周目、そして安倍総理は6周目の年男と伺っております。俊足のサラブレット、500kgもの荷を曳く輓馬、数多の馬がおりますが、私は6周を駆けた経験を生かし、この1年もまた弛まぬ歩みを続けたいと考えております。

 結びに当たり、本年も皆さまのご健勝とご活躍、そして室蘭工業大学の新たな発展を祈念し、年頭の挨拶とさせていただきます。

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