2016年 学長の年頭挨拶

2016年1月5日

室蘭工業大学長 空閑 良壽

 

 教職員の皆さま、新年明けましておめでとうございます。年末年始のお正月休みの間、皆さまリフレッシュされて、2016年を迎えられたことと思います。私にとっても最初の年頭の挨拶であり、身が引き締まる思いでございます。今年は国立大学法人にとっては、4月からの新たな第3期目の中期目標・計画が始まる重要な年となります。仕事始めの本日は、佐藤前学長にならって、初めに本学名誉教授の叙勲についてご紹介し、その後は昨年度からの予算関連の動きと第3期中期目標期間の始まりに際して、本年度取り組むべき課題についてお話しさせていただきます。

 この度は、年末に全学一斉休業日を設けたこともあり、年末から年始にかけて10日間の連休となりました。多くの皆さまは、ご家族とともに、過ぎゆく2013年を振り返り、期待や希望をもって新しい年を迎えられたことと思います。 開学65周年、そして法人化10周年にあたる本年も、皆さまとともに本学の発展のために力を尽くしてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。恒例により、本日は年頭に当たって今年の抱負を述べさせていただきます。

 

 まず、昨年の春と秋の叙勲における本学関係者の受賞についてご紹介いたします。昨年の春には教育研究功労により、本学名誉教授・竹内隆男先生が瑞宝中綬章を受賞されました。竹内先生の専門は私と同じ化学工学分野であり、在職中は、学生部長、同窓会の理事長などを歴任されました。秋の叙勲では、長年本学の大学運営に貢献された松岡健一元学長と、応用化学科生物系の横田健之助名誉教授が同様に瑞宝中綬章を受賞されました。皆さま、誠におめでとうございます。

 

  さて、年末の挨拶とも重複いたしますが、平成27年度予算関連の動きをご紹介します。平成26年度から始まった文部科学省の「国立大学改革強化推進補助金」により、 34歳未満の優れた若手教員を年俸制を用いて10名、採用することができました。若手教員のスタートアップ経費(初年度のみ)と人件費が最大6年間支援されます。若手教員が活躍できる環境整備、自立性を重んじつつも、しっかりとした研究ユニットでの指導・支援体制の確立が重要です。そこで27年度より、研究ユニットの研究計画の立案と積極的実施を促し、実績に応じた予算支援を行っておりますが、28年度はさらに充実、本格実施させる予定です。また、優秀な外国人教員や他機関の研究者を本学に招く環境を整備するために、今年度中にクロスアポイントメント制度を導入し、より柔軟な人事体制をとっていきたいと思います。

 

 また、地域貢献とも関連して、平成25年度より3年越しでチャレンジしてきた文部科学省の地方創成事業に、本学が北海道地区の代表校となって、道内の理工系4大学と4工業高等専門学校の合わせて8つの教育機関が連携して、昨年の10月末にCOC+事業として採択されました。プロジェクトは5年間であり、平成31年には北海道地域への学部生の就職率を平成26年度から10ポイント増を約束しており、その達成に向けた人材育成が重要な課題となります。

 

 続いて、平成28年度の課題と予算関係についてお話します。

 第三期中期目標の設定に向けて、国立大学は3つのカテゴリーへの分類を自ら選ぶこととなりました。本学は、「主として、地域に貢献する取組とともに、強み・特色のある分野で世界ないし全国的な教育研究を推進する取組等を行う国立大」という分類を選びました。道内では、北大を除く6国立大学がすべてこの分類を選択し、運営交付金等の算定の際に同じ土俵で評価を受けることになり、本学も頑張りどころであります。

 

 さて、昨年末の文部科学省からの28年度予算の通達により、第3期の運営交付金の方向性が見えて参りました。新聞等でも報道されておりますように、国立大学全体の28年度予算は昨年度とほとんど同額であります。ただし、機能強化関連予算の財源として、機能強化促進係数が3分類ごとに新たに設けられ、本学の場合はこの数値が、0.8%(本学をはじめとする第一分類の大学に一律に課せられる係数)+0.1% (運営交付金に占める人件費の割合から決定される係数)、合わせて0.9%となっております。これまでの節約のための効率化係数よりも0.1%だけ小さな数字となっています。なお、各大学から供出される総額は約100億円となります。

 

 概算要求の形もこれまでとは大きく変わり、第3期の中期目標期間における大学のビジョンと戦略に大きく関わることとなりました。その原資として、上述した機能強化促進係数に基づいた約100億円に加えて、約300億円の機能強化促進枠からなる予算が設けられていると聞いています。本予算の詳細はまだわかりませんが、各大学の機能強化の取り組みの実績と計画に基づいて、評価・配分されることになります。本学がこの予算のシェアを獲得していくには、これまでの機能強化の実績に基づいた魅力ある計画の立案、組織の改革が大きな課題となります。これまで以上に、執行部と部局の皆さまが一体となって取り組んでいくことが必要です。

 

 本学の第3期中期目標期間に向けてのビジョンは、「知の拠点として地域に貢献するとともに、ものづくりとして高度で先端的な加工技術に関わる強み・特色のある専門諸分野で世界・全国的な教育研究を推進する。」としました。これに基づく戦略として、以下の3つを立てています。

 

 戦略の1つ目は理工系人材育成に関するもので、「全学的かつ組織的な体制の下で、社会ニーズを捉えて高度専門科学技術者及び地域創生を担える理工系人材を育成する。」としています。第2期まで実施してきた学部・大学院を通じた工学教育体制をより拡充させて、学士課程の自己点検評価に基づいた改善を発展させ、基礎学力と幅広い学問分野にわたる課題解決能力を備えた人材の育成と、産業界からのニーズに的確に応え、社会状況の将来的な変化に対しても柔軟に対応できる教育・研究組織の実現を目指します。理学教育と工学教育がバランス良く連動した理工学部へと改組再編を行い、新たな幅広い教育体系構築の実現をねらいます。さらに、第3期においては6年一貫性教育の導入を目指して、平成28年度から2年間の試行を行う予算がつきました。平成30年度からの、6年一貫制教育の本格導入を目指した実験となり、地域に貢献する人材育成も含めて、室蘭工大独自の実践的理工学人材育成プログラムを確立する必要があります。

 

 戦略の2つ目は地域貢献に資する研究と教育です。本学独自の研究シーズを活かしたプロジェクトの実施や産官学の連携体制強化を通して、地域課題の解決に向けた活動を推進することにより、地域の活性化、新産業の創出や雇用拡大、行政支援等に取り組みます。未利用石炭資源エネルギー有効活用による旧産炭地域の活性化の支援、室蘭シップリサイクル新産業創出に向けた活動、さらには北海道の一次産業にも貢献する、新たな理工学研究を発展させ、これを通じた人材育成や技術開発を行い、地域の課題解決・産業振興に取り組みます。最初に述べたCOC+事業の推進は、上記の戦略1と戦略2の地域貢献に資する人材の育成に大きく関連することとなります。

 

 戦略の3つ目は国際拠点化に関する者です。エネルギー、材料、資源活用などの強み・特色のある環境分野をさらに伸長するグリーン・イノベーション分野の形成に取り組み、研究・教育の国際拠点化を目指します。第3期の中期目標においては、「ものづくりとしての高度で先端的な加工技術に関わる重点分野の独創的・先進的研究を設定し戦略的に推進するとともに、新しい重点分野の創出・育成を進める」という目標に対して、「国際水準の成果を達成するために、航空宇宙機システム及び環境・エネルギー材料を重点研究分野に設定し、研究拠点を形成する。」という計画を立てています。ここでは、関連分野に係る特許申請件数、教員一人当たりの論文数及び論文引用数、外部資金について、第2期の平均に比べ、それぞれ20%以上増加させるという数値目標を掲げています。とりわけ、環境調和材料工学研究センターでは、3人の専任教員と三徳希土類寄付講座の研究体制が整い、海外のレアアース研究機関からの研究者の招聘を含めて、レアアースの有効活用研究における国際研究拠点の形成を目指します。

 

 これら3つの戦略の他、機能強化経費として「高大接続改革実現のための個別選抜改革プロジェクト」が採択され、入試改革についてもモデル検証を行います。さらに、寄付金等外部資金活用促進費がつき、合計5つの機能強化経費が採択されました。

 

 繰り返しになりますが、今年度は、第3期中期目標期間の始まりの年であり、スタートダッシュをかけるべく、執行部一丸となって、様々な課題に取り組んで参りますので、教職員の皆さまのご協力どうぞよろしくお願いいたします。以上をもちまして、本年の年頭の挨拶とさせていただきます。

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