東日本大震災における被害調査と復興支援

建築社会基盤系学科 教授 大坂谷 吉行

 

 2011年3月11日に東日本大震災が発生しました。2011年度から東日本大震災関係調査研究経費(学長裁量経費:1千万円)が計上され、学内公募でテーマが選定されました。

 

 釜石市を含む被災自治体が最初に行うことは安否不明者の確認・捜索です(人命第一)。次に住宅被害の把握です。これらは罹災証明書の発行や仮設住宅の建設戸数の確定に必要なことです。しかし、飲食店や小売店の被害状況は市役所も商工会議所も把握していません。このような状況を踏まえて、大坂谷研究室(都市計画研究室)は、室蘭市と同じ「鉄のまち」釜石市の飲食店及び小売店の被害データを作成しました。

 

 2011年版職業別電話帳(2010年10月現在)に店舗名、電話番号、住所が掲載されているので、業種別・地区別に店舗をリストアップします。次に2010年版住宅地図で確認し、復興地図センター(大船渡市所在)と照合して被災したか、否かを判定します。次に被災店舗について、2013年版職業別電話帳(2012年10月現在)、2012年版住宅地図、現地調査から営業再開店舗を把握します。営業再開店舗は、①仮設店舗で再開、②元の場所で再開、③別の場所に移転して再開に区分しました。

 

 また、仮設店舗入居者を対象としたアンケート調査を実施し、入居者の年齢や仮設店舗の問題点のほか、仮設退去後の営業継続意向、店舗形態及び課題等を把握しました。

 

 表1に示すように釜石市全体の飲食店の被災率は70.9%、小売店の被災率は47.6%です。また、飲食店の営業再開率は61.4%、小売店の営業再開率は42.2%です。仮設入居率は飲食店が43.3%、小売店が41.6%です。地区別・業種別の分析もしています。

 

 

表1 釜石市の飲食店と小売店の被災状況及び営業再開状況

表1 釜石市の飲食店と小売店の被災状況及び営業再開状況

 

 被害データと営業再開データ及びアンケート調査の分析結果は、フラッシュメモリーにまとめて、釜石市に無償提供しました。

 

 2013年度は、大船渡市、陸前高田市及び気仙沼市を対象にして、釜石市と同様のデータを作成しています。8月下旬に営業再開店舗の現地調査(主に確認作業)を完了しました。大船渡市と気仙沼市の仮設店舗入居者を対象としアンケート調査は実施済みです。陸前高田市におけるアンケート調査は実施予定です。釜石市のほかに3都市の調査をすることで、復興(営業再開)状況が都市によって違いがあることが分かってきています。

 

 

建築社会基盤系学科Webサイト:

http://www.muroran-it.ac.jp/cea/index-j.html

 

 

 

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更新年月日:2013年11月15日
作成担当部局:総務グループ総務ユニット

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