「震災被災地の環境調査と安全評価法の提言」プロジェクト

環境科学・防災研究センター 環境保全グループ  吉田英樹、河内邦夫

 

災害廃棄物の仮置き場における環境調査

 東日本大震災では、膨大な災害廃棄物が現在把握されているだけで岩手、宮城の二県だけでも現在1600万トン余りあります。復興には、これらの廃棄物を撤去して、仮置き場に集積し、減量・リサイクル及び焼却処理を行う必要があります。震災後からおよそ半年間経過した頃から各地の仮置場において火災が発生し、現在も火災発生の危険があります。そのため、火災発生予防のためのモニタリングや廃棄物層の規模を制御する対策工事、内部水分量を増加させる放水等の対策が行われています。しかし、土地の制約により廃棄物をかさ上げせざるえない場合があります。また、火災発生を予防する計測機器が現場で不足しています。そこで、がれき仮置き場の安全管理、特に火災発生防止に関連して、仮置き場の廃棄物の温度及びガス成分の現場調査を行い、被災自治体および民間の廃棄物処理処分業者に仮置き場での火災発生防止のための提言・助言を吉田は行っています。

 

図-1 災害廃棄物の仮置き場の状況

図-2 仮置き場のサーモグラフィ調査事例

 

福島県における空間放射線量率の高密度分布計測

 東日本大震災では、東京電力福島第一原子力発電所が被災し原子炉起源の放射性物質が大気中に漏出しました。その放出物質は、その後の気象状況により広範囲に降下し土壌や草木に付着しています。物理探査工学を専門とする河内は、事故2ヵ月後の5月より放射線量率計を取り付けた自動車を使って主に福島県内を中心に2012年3月末までに約1万kmを走り空間放射線(γ線)量率の分布を調査しました。半減期が2年と比較的短いセシウム134による放射線量率は全体的には減少しています。一方、セシウム137は半減期が30年と長く、その影響が続くことが予想されます。放射性物質は、土壌等に取り込まれた後は、除去されるか雨水や河川水などで移動されなければ、その場に長く留まり放射線を空間に放出し続けます。現在は、地元の市会議員、医師、幼稚園や学校関係者、市民などと協力し、新たに開発した線量計・GPSを取り付けた自転車を用い郡山市の住宅密集地内の公園や歩道での空間放射線量率の調査をしています。

 

郡山市内住宅密集地区の空間放射線量率の調査結果[計測日:2012年11月19日-23日]

 

自転車による空間放射線量率の測定

 

 環境科学・防災研究センターホームページ:http://www.muroran-it.ac.jp/cedar/

 

 

 

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更新年月日:2013年1月7日
作成担当部局:総務グループ総務ユニット

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