本学における第二外国語教育の特色と語学研修

ひと文化系領域 准教授 クラウゼ小野 マルギット

 

 本学では英語のほかに、第二外国語(ドイツ語、中国語、ロシア語)が必修選択となっています。以前は第二外国語の全てにおいて、教員が異なれば教材も教授法も異なる、というような状況でした。多様性という観点からはそれもまた一概に否定されることではないかもしれませんが、規模のあまり大きくない本学での言語教育における質的保証と評価の公平性を考えれば、受講者全員に対して同一教材、統一教授法を導入し、同一の試験を実施することによって評価することの方が望ましいはずです。

 

 その目標達成のため、私たちは2008年度から数年をかけてCEFR(ヨーロッパ共通言語参照枠)に準拠した教材や教授方法の開発を行いました(ちなみにNHKでも2012年度から英語講座でCEFRを導入しています)。私たちが目指したのは、教員から学生への一方通行的な文法中心の読解力養成ではなく、「日常の簡単な表現を理解して、基本的なやりとりができる」というCEFRのA1(A1-1)レベルに相当する能力を身につけてもらおうというものです。文法説明は最低限必要なものに絞って実際に使えるチャンクを数多く採用した新教材に沿い、会話練習の時間を十分に確保しながら授業を進める一方、選択言語の聞く力を伸ばせるようMoodleというネットワークシステムの随時利用を可能にしたり、学習進度の自己診断が行えるようcan-do-listの活用を図ったりしています。そして成績評価は統一試験に基づいて行っています。

 

 第二外国語は副専門科目であり、当然そこには時間的制約があります。しかし、それが単なる通過点に止まることなく、言語教育の立場から学生が自分の可能性に気づく一助となるべく授業に臨んでいます。

 

 語学研修もまたその延長線上にあります。私の研究分野が文化間コミュニケーションであることそして自分がドイツ人であるということから、異なる環境にいて考えさせられることがたくさんあります。二国間或いは世界の様々な問題に関し、その時々の言説に振り回されないために必要なのは「海外によく知っている友人がひとりいること、それが出発点」と加藤周一は言います。私も同感です。今は確かに英語の世紀ですが、世界では少しずつ姿を変えながらも伝統的な生活が営まれ続けているのです。言葉もそうです。そうした多様性に目を開き、他者に向かって新たな一歩を踏み出す契機となることを願い、私のホームグラウンドであるヨーロッパへの語学研修を実施しています。

 

ツヴィッカウ応用科学大学にて

ツヴィッカウ応用科学大学にて

プラハにて

プラハにて

 

 

 

 

 

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更新年月日:2013年3月19日
作成担当部局:総務グループ総務ユニット

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