平成28年度SARD Hybrid Rocket Project活動報告

小林 迅

 

 

  1. 1.活動目的

 動翼によるロール制御を主な活動目的として活動しましたが、室蘭工業大学内の風洞試験装置に搭載予定の動翼モジュールが収まらなかったので、動翼フィンを付けた際の前後翼干渉による飛行軌道への影響を調べました。

 

  1. 2.活動詳細

 今年度SARD Hybrid Rocket Projectの活動詳細は以下の表1の通りです。

 

                  表1:活動詳細

2016年2月

mini-CAMUIエンジン燃焼実験

2016年3月

ハイブリッドロケット打ち上げ実験

2016年6月

ハイブリッドロケット打ち上げ実験

2016年7月

mini-CAMUIエンジン燃焼実験

2016年8月

能代宇宙イベント

2016年12月

能代宇宙イベント再実験

2017年2月

mini-CAMUIエンジン燃焼実験

 

 字数制限の関係上2017年2月燃焼実験、2016年3月打ち上げ実験、能代宇宙イベント再実験のみ記述します。

 

  1. 3.実施結果

 

3.1 2016年3月打ち上げ実験

3.1.1実験概要

 北海道赤平市植松電機敷地内にてCAUMI型ハイブリッドロケットの打ち上げ実験を行いました。

 実験目的は、前後翼干渉による影響、上空のデータ計測でした。

 以下の表2に実験機の諸元を示します。

 

                  表2:実験機諸元

項目

数値

機体直径

135[mm]

重量(モータ無)

7826[g]

全長

1860mm]

機体安定性

2.51[cal]

 

 以下の図1に打ち上げ前の機体(左)と飛翔中の機体(右)を示します。

 

 

図1 :打ち上げ前の機体と飛翔中の機体

図1 :打ち上げ前の機体と飛翔中の機体

3.1.2実験結果

 ランチクリアに成功し頂点(112m)に到達後、回収機構が動作し機体は軟着陸し機体の回収に成功しました。しかし、打ち上げ時間の延期の影響でロガー計測器の電池が切れてしまったため上空のデータを計測することが出来ませんでした。

 

 機体の回収には成功しましたが、パラシュートと機体をつなぐ紐(以下、ショックコード)が切れる寸前であったため6月の打ち上げ実験に向けてショックコードの縫い方、取り付け方を改善しました。

 

 

3.2能代宇宙イベント

 第12回能代宇宙イベント陸打ち部門に参加しました。結果はエンジンに着火せずに高圧酸素のみ噴射され、ランチクリアに失敗しました。機体は無傷でしたので12月に再実験を行いました。以下の記述は再実験のものです。

 

3.2.1実験概要

 

 以下の表3に能代宇宙イベント実験機の諸元を示します。

 

               表3:能代宇宙イベント実験機諸元

項目

数値

機体直径

135[mm]

重量

9530[g]

機体全長

2000[mm]

安定性

2.07[cal]

 

 以下図2に打ち上げ前の機体を示します。

 

図2:打ち上げ前の機体

図2:打ち上げ前の機体

3.2.2実験結果

 ランチクリアに成功したのちパラシュートが機体から放出されたものの展開には至りませんでした。また、実験前のシミュレーションでの最高到達高度は84mでしたが実際の取得データによる到達高度は112mでした。   

 これにより到達高度が予想より高かったため機体が上昇中にタイマーが作動してしまいパラシュートが放出され、以下の図3に示す通り動翼フィンにパラシュートのコードが引っかかってしまったことが原因と考えます。

 

図3:着地後の機体

図3:着地後の機体

 また、機体の上昇軌道をみて、前後翼干渉による影響はなかったと判断しました。

 

3.3 2017年2月燃焼実験

 2017年2月の燃焼実験では、早稲田大学(以下WASA)、東京農工大学(以下Lightus)の2団体と合同燃焼実験を行いました。

 

3.3.1実験目的

・地上支援装置(以下GSE)の使い方を学ぶ

・打ち上げ実験に向けた推力データを取得する

・実験データの共有

 

3.3.2実験概要

  燃焼実験も北海道赤平市植松電機敷地内をお借りして1日に2回実験を行いました。

 以下の図4に実験に使用した配管図を示します。

 

図4:燃焼実験配管図

図4:燃焼実験配管図

GOx:ガス酸素

GN2:ガス窒素

 ガス窒素を使用して空圧弁(エアクチュエータ)を駆動させバルブを開けて燃焼室内に酸素を流し着火させる構造になっています。

 以下の表4に実験の条件を示します。

 

                表4:燃焼実験、実験条件

燃焼圧力(1回目/2回目)

8[MPa]/13.7[MPa]

使用エンジン

mini-CAMUIエンジン(7段)

燃料

ポリエチレン

酸化剤

ガス酸素

 なお本実験ではGSEはすべてSARDで自作したものを使用しました。

 以下の図5にサテライトコントローラー、コントロールボックス(以下SC、CB)

 

図5:SC(左)とCB(右)

図5:SC(左)とCB(右)

3.3.2実験結果

 燃焼は正常に行われ、データも取得することが出来ました。

 以下の図6に燃焼中のエンジンを示します。

 

 

図6:燃焼中のエンジン

図6:燃焼中のエンジン

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