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松山 永
研究分野:量子化学

原子・分子中の電子の運動を量子論的に解明することを目指しています.

He原子の励起状態

He原子のエネルギー準位には1つの電子が励起した1電子励起状態が無数に存在します.基底状態と1電子励起状態の明確な違いはエネルギーだけでなく,いろいろな物理量に現れてきます.例えば,電子間距離,電子間角度,平均半径です.これらの量は電子の運動を議論するうえで欠かせないものとなっています.当研究室では,C. Froese Fischer博士が中心となって開発したmulti-configuration Hartree-Fockプログラムの修正版を基に高精度な波動関数を作成し,それから上記の量を計算しました.そして,これらの量と電子の運動に密接な関係があることがわかりました.詳しくは,例えば,Theoretical Chemistry Accounts誌118巻の643から647ページに掲載されていますので,興味のある方はそちらをご覧ください.

水素分子の基底状態

水素分子の化学結合についての量子力学的な最初の説明はHeitlerとLondonによって行われました.それ以来,多くの研究者が多種多様な波動関数を作成し,それを基にしてさまざまな物理量が計算されてきました.今では,全エネルギーの実験値をほぼ再現する波動関数まで作られています.(初期の研究については,A. C. Hurley著,“Introduction to the Electron Theory of Small Molecules”をご覧ください.)それでも,水素分子の電子の運動は完全に解明されたわけではなく,まだ不明な部分が残されていると考えています.当研究室では,Gordonグループが開発したGeneral Atomic and Molecular Electronic Structure Systemプログラムに電子の運動をより明らかにするような物理量を計算するためのサブルーチンを組込んでいる最中です.したがって,今の段階では,残念ながら発表できる結果がありません.

卒業研究の主なテーマ

1. He原子の基底状態と励起状態の動径密度と平均半径

2. 水素類似型一電子動径密度の作成

3. 水素分子の電子の密度

量子化学グループ(松山 永)