航空宇宙機システム研究センターの教育・研究最前線

 
航空宇宙機システム研究センター 木 正平


 航空宇宙機システム研究センターは平成17年3月に設立されました。当研究センターは,将来の超音速旅客機や宇宙機の実現を目指して,大気中を高速度で飛行するための基盤となる技術を創出することを目的に研究活動を行っています。また,学部や大学院教育においては社会で活用できる技術の習得を狙った実践的な教育を進めています。このような目的を達成するため,これまでに人材の確保と大型試験設備の整備・拡充を図ってきましたが,平成21年度までにマッハ4までの流れを実現できる超音速風洞,レール軌道上を高速に走行できる設備,航空機の飛行を模擬できるフライトシミュレーターの整備を完了し,平成22年度から本格的な研究が進み,研究成果が出始めたところです。

 航空宇宙機は,多くの要素技術を組み合わせて構成する総合システム工学の一つであり,特に空中を飛行することから地上の交通システムとは異次元の信頼性と安全性が要求される高度な技術分野です。当研究センターでは,既存の要素技術だけでシステムに構成するのではなく,革新的な要素技術を如何にシステムに組み込んでシステムに革新をもたらすかを研究しています。具体的には,航空宇宙機の揚力や抵抗特性を研究する空気力学,飛行の安定性や操縦性などを研究する飛行力学,軽量でしかも丈夫な機体設計のための構造力学,無人自律飛行を可能にする遠隔誘導制御技術の研究,新しい革新的なエンジン開発,さらには要素技術を統合したシステム技術研究なども進めています。

 2010年8月には超音速機形状の無人機の遠隔操作による飛行試験に成功しました。2012年度中には音速を突破し超音速飛行が可能な無人超音速機の完成を目指しています。その実現のためには,前述したそれぞれの分野で多くの難題を克服する必要があるだけでなく,さらにはそれらの要素技術を統合しシステムとして組み上げる際にも多くの課題が山積していて,従来の技術の範囲で解決しません。これらの課題解決に学部や大学院生も参画することで革新技術の開発だけでなく,ものづくりを通して実践的な教育を学んでいます。

 航空宇宙機は多くの要素技術で構成されるために,当研究センターの限られた人材だけでは開発はできません。そのために,学内外の協力や宇宙航空研究機構(JAXA)との連携,さらには関連企業との共同研究を積極的に進めています。

 航空宇宙機システム研究センターの研究活動や大型設備および航空宇宙システム工学専攻の教育活動の近況は以下のホームページをご覧下さい。

http://www.muroran-it.ac.jp/aprec/
http://www.muroran-it.ac.jp/aero/





離陸上昇中の実験機「オオワシ」
 
 

ロケットでレール上を疾走する高速走行スレッド
 

               
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更新年月日:2012年2月15日 作成担当部局:企画・評価室 問合せ先:koho@mmm.muroran-it.ac.jp