情報・感性

Information/Sensibility

Seeds
キーワード:エスニック・マイノリティ、東アジア、イスラーム
国民国家におけるエスニック・マイノリティの交渉と共存
ひと文化系領域
人間・社会ユニット
まつもと ますみ

松本 ますみ教授

国民統合とエスニック・マイノリティ

研究の目的

少数民族(エスニック・マイノリティ)にとってその自由や権利が守られる社会とは何か、ということを研究している。特に、東アジアは、中国、韓国、日本と世界的にも影響力がある地域である。歴史的な文化遺産、独自の習慣、言語、宗教などを保存し、発展させることで、多様性にとみ、寛容な誰にとっても生きやすい社会をつくることを目的としている。

研究の概要

東アジアのエスニック・マイノリティ

国家における少数民族の位置や語られ方の研究をしている。特に、中国の回族という少数民族の研究をしている。イスラームを信じ、中国語を母語とする集団である。また、日本とも近代史上ゆかりの深い集団である、朝鮮族の研究もしている。彼らの歴史や社会、思想、政治的志向性、海外出稼ぎ、ネットワーク、生き残り術、権力に対する尊厳をかけた抵抗などがそのおもな着眼点である。多くの社会では、少数者がどのような扱われ方をしているのか、ということはその社会のリトマス試験紙でもある。同じことが日本でもいえる。

研究(開発)のアピールポイント

研究の新規性、独自性

回族の研究では、世界の中でもパイオニアで最先端の研究をしている。特に、強大化する中国のイスラームと、世界中の14億ともいえるイスラーム教徒との関係は、世界的な関心事である。愛国主義とイスラームがなぜ共存できるのか、ということを理論的に説明した。

研究に関連した特許の出願、登録状況

なし

従来研究(技術)と比べての優位性

少数民族は政治的独立をめざす、という一般的理論でなく、置かれた立場によって違う、それは多数派との相互作用でもある、ということを論証している。

研究(開発)のビジョン・ステージ

適応分野

社会の中のマイノリティ-日本の先住民、障がい者、LGBT、こども、お年寄り、外国籍者の人権問題、社会問題への適応

研究のステージ

基礎研究応用段階

製品化、事業化のイメージ

書籍、ハラールフード

企業等へのご提案・メッセージ

研究(開発)に関連して、あるいはそれ以外に関われる業務

価値観の異なる外国人、障がい者、女性の採用や人事に関してのアドヴァイス

利用可能な設備、装置など

参考資料(研究室内)

教員からのメッセージ

多文化共生とはよく聞かれる言葉ですが、なかなか実生活においては実践できているとはいえません。これからは中国の時代が来ます。中国がどのような形で「多文化」と葛藤しているのかを知ることは、東アジアの安定にもつながります。
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